中禅寺湖展望台はプチ寂しい所でした。
廃墟にも似た建物が1つあり… 自販機も無ければトイレも無かった。 晴れて見通しが良ければ、スッゲー綺麗な中禅寺湖を望む事ができたみたいだけど、霧で見通しが悪くて水墨画。 にゃんさんは、僕達に『絶景』を楽しませてくれる意気込みだったのだろう! その気持ちは熱く伝わったので、絶景よりも感動しました。

 ここで円陣を作って自己紹介タイム。 そして御歓談♪ 
レーシングセブン乗りの方と雑談してる時は、セブンの事やセブンを囲む仲間の事などをたくさん教えてくださり…とても濃い時間でした。 一見怖そうな人でしたが、とても気さくな方で楽しかったです♪ 
 皆さんとたくさんお喋りしたかったのですが、昼飯のジンギスカンに向かう時間が迫ってたので急いで記念写真を撮りました。

 僕とノロケンさんは(時間的都合により)ジンギスカンの牧場に向かう途中で、皆さんと別れる事を告げると…皆さん本当に残念がられて申し訳なかったです。 容量の少ない僕の頭に、帰りのルートはインプット済みですが…距離感が分かりません。 時間はPCで検索して家の近所のICまで5時間。 一番心配だったのが皆さんと別れてからの国道120号線でした。 『一本道』という事なので、いまさら地図を見ながら走る必要はないのですが、とにかく激しい峠道らしい。 この国道120号線から関越自動車道・沼田ICまでの所要時間が全く分からなかったので、先を急ぐ事を決意していました。

 皆さんと握手して、いつかまた再会する事を誓って中禅寺湖展望台を後にしました。

 来た道を戻って、国道120号線に出ました。 11台のセブンは隊列が途切れる事もなく、中善寺の前を直角に右折。 今度は左手に中禅寺湖を眺めながら… 右手から男体山に見下ろされながら戦場ヶ原を目指します。 
 中学の修学旅行で泊まった中禅寺湖ホテルを探しながら走ったけど見当たらなかった。 ネットで検索しても見つからなかったから、もう無くなっちゃったのかな? なんたって20年以上も昔の事だもんね。
 戦場ヶ原までの道は緑が多くて気持ち良かった! お土産屋さんも素敵な雰囲気。 気持ちの良いツーリングでした。

 広大なジャングルを思わせる戦場ヶ原の直線道路に入ります。 『戦場ヶ原』と聞くと、安土桃山時代〜江戸時代に大きな『戦』でもあったかのような地名ですが… 実際は「戦場ヶ原神戦譚」という伝承で赤城山の神と男体山の神がそれぞれ大ムカデと大蛇に化けて戦った戦場だと言われている。 また、勝ったのは男体山の神だといわれているらしい。 
 どーでもイイ事だけど広い所だったなぁ! 北海道みたいでした。

 暫く進むと先頭が右折。 此処でお別れです。 軽くホーンを1回鳴らして、軽く手を振りながら別れました。 ジンギスカンは本当に食べたかったです!

 此処から先はまたまた未知の世界。 前にも書きましたが… たとえ『一本道』でも不安であるのは正直な気持ち。 時間は既に正午に近い。 できれば明るいうちにチキチ基地に戻りたい。 せめて日没までに愛知県内に入っていたい。 そんな気持ちが焦りを生んでました。
 とりあえずは進むしかありません。 燃料は満タンに近いし、水温も80℃前後で落ち着いていたのでドライブに集中できる。 平坦な戦場ヶ原から、やや勾配を感じた瞬間…目の前には見た事もない景色が現れた。 まるで壁のような山! 金精山(2241b)です。 とても険しい山肌! いまにも土砂崩れが起きそうでスッゲー怖い。 下ってくるバイクは命知らずなのかメチャ速いし… 606号は行く手を阻む軽自動車に少しイライラしながらも抜くタイミングが全然なくてキャブも頭も被り気味。 安全運転で金精山(通称:金精峠)を登って、トンネルを抜けました。 このトンネル中央が栃木県と群馬県の県境! 豆腐屋のせがれがハチロクで登場しそうな所へ足を踏み入れてしまった。 さすがにこの時間、拓海君はGSでバイトしてるかな?  トンネルを抜けたら今度は下り一辺倒です。
 やや寒かったのでジャンパーを着てて助かりました。 なんたってついこの前まで雪で通行規制があったぐらい。 塩カル撒いてなくて良かったです。

 森林限界を超えたような景色から、どんどん緑が増してきます。 朝飯を満足に食べていない606は空腹絶頂。 たぶんノロケンさんも腹が減ってるだろうし… ここらで休憩しようと思ってたら菅沼キャンプ村の前に地図にも載っていないような、イイ感じのお土産屋さんを発見。 僕もノロケンさんも、腹いっぱい食べたら眠くなる体質なので意見が一致! 軽く蕎麦でも食べる事にしました。

 しかし! 囲炉裏でアマゴとか魚を焼いて売ってました。 その横では缶ビールが湧き水で冷やされてる。 グルリと周囲を見回してみると『ゆばコロッケ』なるモノまで売ってる。 女性が「揚げたての、ゆばコロッケはいかがですか〜!」と叫んでるし… どーにも綺麗で冷たそうな湧き水で冷やされてる缶ビールが頭から歯なれない! 正直、腹も減ってるが喉も渇いてる。 ゆばコロッケと焼き魚と缶ビールがあれば喉も腹も心も満たされるのに… なんてこったい! セブンだよ。

 僕は泣きながら『まいたけ天ぷら蕎麦』を注文。 ノロケンさんも具の違った蕎麦を頼んでました。 ノロケンさんも我慢してたのかな? 
蕎麦は店内で食べるよりも青空の下で食べたかったので、ドンブリを持って外に出ました。 風が無かったので和風ピクニック気分。 つゆが最高に旨かった! 麺は腰が無かったけど、風味が良くて美味しい♪ 腹八分目で満足。 
 ビールは諦めたけど、ゆばコロッケはどうしても食べたかった。 だけど再びビールの魔の手が上下に振られても困るので、お土産コーナーで『行者にんにく味噌』を大量に購入して出発準備を始めました。

 セブンの周りにはいつも写真を撮ってる人がいました。 蕎麦を食べながらもセブンを見張れる場所に駐車したので気楽でしたが…とにかく珍しそうに見入られてました。 三河ナンバーと三重ナンバーなのも驚かれてました。
 そ〜っとエンジンかけて、缶ビールに… じゃなくて、素敵なお土産屋さんに未練を残して出発。 午後1時くらいだったかな? 暑くなりそうだったけどジャンパーは着たままです。

 金精峠トンネル手前にあった看板に『沼田ICまで70km』と書いてあったので、此処から約65kmぐらい。 間違いなく1時間以上は走り続けるだろう。 しかし走った事のない新鮮な道は退屈しないし、ワクワクドキドキ! 『11種類のソフトクリームを販売中!』という看板を見て、全部食べたいと思うだろう仲間を思い出しながら… 渋滞もなく突き進みました。

 素敵な田舎道。 静かな田舎道。 セブン(走り)を楽しむよりも景色を楽しみました。
左手にFDやFC∞がギャンギャン走っていそうな赤城山を眺めながら走ってる頃は観光バスの真後ろで制限速度以下での走行。 2.5速が欲しいぐらいシフトチェンジが頻繁。 2速と3速でマシンガンシフトチェンジを楽しんでました。 超低回転で!
 
 無意味なマシンガンシフトチェンジの連発で左足の踵に50のダメージを受けてしまった。 擦り剥けた(>。<)
嬉しいのか悲しいのか関越自動車道・沼田ICまで1kmぐらいの所でダラダラと渋滞。 市街地の信号渋滞なのだけど結構堪えた。 関越自動車道に上がって、ようやく『帰れるモード』になった喜びで、5速までマシンガンシフトチェンジをしました。 シャクーン! シャクーン! ってね♪
 沼田ICからは右手に拓海君が毎朝豆腐を配達してる榛名山(秋名山)を眺めます。 ついつい高速道路の路肩の側溝に片輪落として曲がりたくなってしまう。 危険なので良い子はマネしちゃダメなんだよね。 今度、ツーリングで榛名山の榛名湖まで行ってみたいなぁ♪ 榛名湖にも湖畔亭なるものがあります。 五平餅売ってるかな?

 ガラガラに空いてる関越自動車道から、ガラガラに空いてる上信越自動車道に入ると…今度は真っ黒なR32が「ドリフトよりもグリップのほうが、ぜってー速い!」と叫びながら走っていそうな妙義山を眺めます。 クワッ! ギャンギャン! ビリビリ! と口で効果音を発しながら5速3500回転で上信越自動車道を真っ直ぐ走る606号。
 間違っていないのは「む! ストレートで速い車が迫ってくる!」と何度も感じた事。 抜き去っていくのは普通のドイツ車だけどね。

 日光⇒赤城⇒榛名⇒妙義と一通り攻めた606は、群馬エリアを制圧したと素敵な勘違い。 碓氷峠と隣合わせの妙義を越えたら長野県です。 もう、ギャンギャンビリビリ言わなくても済みます。 @頭文字D

 本当に交通量の少ない関越&上信越自動車道でした。 上信越自動車道で最後のSAとなる東部湯の丸SAにて燃料補給をしようと思ったけど、燃料は半分くらい残っていたので通過。 まぁ、10gもあれば次のSAまで行けるもんね♪ ←という余裕がこの先で恐ろしい目に遭う事になろうとは、僕もノロケンさんも知らなかった。

 更埴JCTから長野自動車道へと進んだのですが… 僕は長野自動車道に入ったら、すぐに駒ケ岳SAがあると思っていた。 馬鹿だなぁ〜… 駒ケ岳SAは中央自動車道・岡谷JCTを越えてからやん! それに気がつくまで、残り20km。

 駒ケ岳SAを目指せど、SAの案内看板が現れない。 しかも全然知らない地名が連続している。 周りは山に囲まれて民家もなかなか発見できない。 燃料計の警告ランプが点灯して残り9gを確認した頃にPAとSAの看板を発見しました。 606号にとって砂漠でオアシス! と…右足に力が入った。 姨捨(おばすて)SA。 SAの案内看板に有るべきはずのマークが無い!! なんとGSのマークに×が!!   一気に右足の力が抜けて省エネ走行。 残り9gで次のSAまで行けるのか? 高速道路を降りてもGSどころか民家も無さそう。 久しぶりに墜落モードに陥った。

 80〜90km/hで走行しつつも、1つ…また1つと燃料計が痩せていく。 姨捨SAは読んで字の如く姨捨山(おばすてやま)の麓。 ここで606号を捨てて帰るなんて笑える♪ じゃなくて…笑えない!
 運を天に任せて走る。 それを『運天(運転)』と言います。 寒ぶ。
 四国ツーリングの帰りは水温計と睨めっこ。 日光ツーリングの帰りは燃料計と睨めっこ。 ツーリングに出撃する度に白髪が増えそう! 円形脱毛症必至? 
 泣きたくなってきたyo~ 
そしたら雨が降ってきてマジで泣きそうになった。 最初はサラサラと気持ちイイくらいの雨だった。 空は明るかったので、通り雨の余韻ぐらいにしか思わなかった雨は、数分後には機関銃みたいな雨になった。 雨よりも燃料が心配だったのでヘルメットの通気口を閉めるのを忘れてて頭からヘルメットの中に雨水が浸入。 レーダー探知機もETCアンテナも濡らしたらダメなのに、そのまんま。
 結構高い高架を走ってるのに道路は冠水してる。 冠水した道路に雨粒が落ちた跡がハッキリと確認できるぐらい強く激しく降っている。 こんな所でガス欠なんてしたら最悪。 

 長いトンネルに入って、ようやくヘルメットの通気口を閉める事ができました。 だって両手でステアリング握ってないと怖かったんだもん! トンネル出口付近の電光表示板には『トンネル出口雨!走行注意!』と点滅して注意を促している。 「まだ降ってるんだ」と凹みながらも燃料計の残りを確認したら5g。 墜落体制を整え始めました。
 トンネルを抜けたら雨の勢いは衰えず、再び被弾。 ヘルメットのシールドに雨粒がビシバシ当たる音は606号の排気音よりも大きい。 ずぶ濡れで再びトンネルに侵入。 この先は家まで雨なのかな? と思いながら… 諦めながらトンネルを抜けたら、なんと晴天! 濡れた胸元に手をあてて「なんじゃこりゃ〜!」と呟きました。

 雨の後には晴れ間が! 苦労の後には喜びが待ってるとはよく言ったものです。
『梓川SAまで23km』という看板を確認。 しっかりとGSのマークも表記されてる♪ 燃料計は残り3gを表示してるけど、このままゆっくり走れば1gで7〜8kmは走れるから超ギリギリで辿り着ける計算。 これは賭けでもあったけどね。 

 午後4時少し前、無事(?)に梓川SAに到着しました。 セブンは90%乾いてますが、僕もノロケンさんも上半身ビショビショ。 二人の濡れ具合(いやらしい意味じゃないよ)を確かめてみると、ノロケンさんのほうが酷く濡れてました。 これはレーシングスクリーンとJPEスクリーンの違いです。 ほんの僅かに背が高いレーシングスクリーンは雨を高く弾くのですね。 対してJPEスクリーンは低く寝てるので被弾しやすい事が… 今回の実験で証明されました。 (なんの実験やねん!) 
 二人の濡れ具合は若さとは関係ありません。 男だし… 悪しからず!

 さすがに疲れました。
しかし帰らなければなりません。 まだまだ走り続けなければなりません。 余裕なのか?投げやりなのか?ここのSAでちょっと休憩。 僕は珍しいリンゴ味のソフトクリームを食べました。 疲れた体に甘いモノは良薬です。 美味しかったぁ♪ 四国ではオレンジ味のカキ氷。 松本ではリンゴ味のソフトクリーム。 結構混んでた梓川SAの外のベンチで、ノロケンさんも僕もレーシングシューズを脱いで足を休めました。 知らない人から見たら、僕ら二人はガキかオヤジだな。 靴下も脱ぎたかった。 足の指を手で広げてマッサージしたかったけど… ノロケンさんに嫌われそうだったのでヤメときました。

 20分ぐらい寛いで、燃料を満タン補給。 ここから一気に東海環状自動車道の鞍ケ池PA(豊田市内)を目指しました。 もう此処から先は殆ど脳死状態。 ただただ直進するばかり。 BGMはペットショップ・ボーイズのGO WEST♪  ルートの心配も天気の心配も燃料の心配も全て梓川SAに置いてきたので、眠気は一番激しかったかな? いま、思い出しながら書いてても景色すら思い出せない。 惰性で中央自動車道を走り抜けたみたいです。
 PAや路線バスの合流車線付近に覆面パトカーが待ち伏せしてましたが… スピード出して走る気力も体力も無かったので、交通機動隊の人と目を合わせるだけでパスしてきました。
 途中の座光寺PAで眠眠打破休憩。 さすがに無気力。 ここでも大勢の人に話しかけられて、だんだんと嫌気がさしてきたけど…ここはセブン乗りの宿命と思い、親切に対応しました。 本当は606号の前後左右のゼッケンの上に『問答無用』と書いたステッカーを貼りたかった。

 午後6時。 東海環状自動車道(通称:マグロード)鞍ケ池PAに到着。 とりあえずノロケンさんと話ができるのは最終地点。 今日一日の事をノロケンさんと話せて、結構感動しました。 セブンを購入してそれほど長くないノロケンさんから、セブンや仲間に対しての思いやいろんな考え方を聞いて僕は感動しました。 凄く勉強にもなった。 最近では常識となりつつある仲間同士のシェイクハンド。 今日一日を一緒に走った(走り抜いた)感激も然ることながら… 此処での短い会話の中でカウンターパンチを喰らわしてくれたノロケンさんに対して、照れる事もなく… 自然に右手を差し出す事ができた。
 疲れもあったけど、とても爽やかな気持ちで、僕は豊田南IC手前で大きく手を振ってノロケンさんと別れました。

 東名高速道路 ⇒ 首都高速3号線 ⇒ 東北自動車道 ⇒ 日光宇都宮道路 ⇒ 関越自動車道 ⇒ 上信越自動車道 ⇒ 長野自動車道 ⇒ 中央自動車道 ⇒ 東海環状自動車道

 一日で馬鹿みたいに走った距離は1000kmを超えたみたいです。 満タン給油3回。 大勢のセブン乗りさんと仲良くなれた。 大勢の知らない人(老若男女問わず)に声をかけられた。 やがて届くETCの請求書…思い出の方が重いで〜♪

by606


















北関東OFFミーティング@日光いろは坂 後編