四国・高松ミーティング@SMP 後編
 下がらない水温! 上がり続ける水温!! 120℃をキープしたまま交差点を右折。 
「お願いだから機関車トーマスにならないで」と心拍数もレブリミットをキープ。 ここからストレートで1kmぐらいあれば20℃ぐらいは落とせると思ったのに、すぐに信号で止まる。 絶対絶命だぁ〜と諦めを認めた時に駐車場に誘導されました。 
 直ぐにエンジンを切るのをパケラッタ… じゃなくて、躊躇ったけど…エンジン止めるしか術もなくて電源OFF。 即行でボンネット開けてエンジンルームを確認しました。

 (>。<)スッゲー熱い。
エンジンルームの熱もさる事ながら、発熱下着・新品トレーナー・バイク用ジャンパー・合羽という感じで重ね着しての作業は、サウナでサウナスーツ着てるのと同じくらい汗が出ました。 他の皆さんは涼しそうな顔して笑顔で到着。 僕だけ汗ダーダー! 
 電動ファンの配線も切れてないし、大丈夫そうだったので様子を見る事にしました。
「到着された方からお店に入ってください!」と進められるまま、合羽を脱いで店内に入りました。 汗ダーダーの僕にはかなり暑い店内で… さらに汗ダーダー! 急いでジャンパーを脱いだけど汗は止まらず… トレーナーも脱ぎたかったけど、ダサイ肌シャツだったので脱げなかった。 

 フラフラの状態でkobaさんに「水温どれぐらい上がった?」と聞いたら「107℃ぐらいまで上がりましたよ。 警告ランプ点いたよ!」と言われたので「僕なんか120℃まで上がったよ。」と言ったら… 「電動ファンが回ってないんじゃないですか?」と!!

 (@。@)もしかしたら回ってないかも!!

 kobaさんに同じモノを注文してくださいと頼んで、再びジャンパーを着て本降りの雨の中、606号の元へダッシュ! 
またまたボンネットとノーズコーンを外して電源を入れたら105℃でも電動ファンが回らない。 配線は大丈夫そうだからヒューズだ! しかし電動ファンのヒューズがどれだか分からないのがセブン。
 鈴鹿に行ってる店主さんの携帯に電話したら、奥さんが出て「携帯忘れて行ってるよ」との事。 鈴鹿に行ってる仲間に電話して呼び出してもらいました。 さすがに店主さんも図面無しではどれが電動ファンのヒューズかは分からないので、一旦電話を切って1個づつヒューズを確認。 そうしたら15アンペアの青いヒューズがしっかり切れていた。 

 遠出用の工具箱からヒューズを探し出して、15アンペアの青いヒューズが1個だけあって感慨無量。 震える手で交換してキルスイッチON。 ブーンと元気に電動ファンが回った。 「やったぁ! もう大丈夫だ!」とガッツポーズ。

 「どうしたの? なにやってんの?」と、にっしゃんさんが心配そうな顔で来てくれました。
ここまでの経緯を話すと… 「なんで相談してくれんのぉ! 皆で手伝うのに…」 と、強く優しく言ってくれました。  確かに仲間に頼れば良かったと思う。 だけどお店でようやく落ち着いた皆さんに雨の中で…。  
 にっしゃんさんの気持ちは強く響きました。 嬉しかったです。
 
 なんとか直って店内の座敷に戻ったら大きな鶏肉が運ばれてきたところでした。 僕は再び汗ダーダーでタオルも無く… 恥ずかしかったけどトレーナーを脱いじゃいました。 ダサダサの長袖シャツ… こんな事ならTシャツで十分だったなぁ〜。
 かなり空腹だったので鶏肉が何倍も旨そうに見えました。 しかしこの鶏肉…熱いし香辛料が効いてるわで、さっきの何倍も汗が流れ始めた。 知らない人が見たら「スッゲー汗かき!」と思われてた事でしょう。
水のポットが運ばれてきたので大喜びしたのも束の間。 隣のテーブルに流れて行く… 「水をくれ〜!」と叫びたかったけど、よく見たら女性が多い。 喉が砂漠状態で食べた『一鶴』の料理… いつかビール飲みながらリベンジだぁっ!

 せっかく旨い料理なのに味わって食べれない(>。<) 水も飲んだけど、飲んだ倍くらい汗が出る。 鶏肉の炊き込み御飯も美味しいのだけど喉を通らない。 皆が話かけてくれても声が出ない。 精一杯の昼飯タイムだった。 
 606号に財布を忘れてきた僕は支払うお金が足りなくて、kobaさんに30円借りてしまった。 何やってんだか…! 思考回路もヒューズが飛んでる状態。 

 落ち着く間もなく撤収。 トレーナーどころか靴下まで脱いでる606は一人七転八転!! 田舎のオヤジ丸出し。 店を出る時だって汗が止まらないし、息も荒い。 ヘロヘロになりながら駐車場に戻ると、既にエンジンを暖気し始めてる仲間もいる。 
 外に出て気がついた事… それは『寒い』という事。
 急いでジャンパーの上に合羽を着て606号に乗り込む。 急いでエンジン掛けて暖気しながらヘルメットを被ってたらドンドン皆が帰ってしまう。 準備ができた頃にはほとんど最後尾。 激しい呼吸でヘルメットのシールドは曇りまくって肥満児が乗ってるみたいな感じです。 

 「ありがとうございましたぁー!」と大きな声で叫んだら、渇いた喉が痛かった。 唇も切れた。
急いで追いつこうと歯を食いしばって駐車場を出たのに… 皆さん直ぐ隣(本当に隣)のGSで給油中。 しかもGSで大渋滞! 606号は燃料が20gも残っていたけど… 此処から先、足並み揃えたほうが無難だと思ったので最後尾に並びました。

             悲劇は繰り返される…

 エンジン掛けて止まっていたら、またまた警告灯が点いた。 「まさか!」と思ったら水温計が106度を表示してる。 配線がどこかでショートしてる! これは最悪だ。 もう15アンペアのヒューズは無いし、この先『宝塚渋滞』という恐怖の3車線坂道発進の連続渋滞が待ち受けてるのに… 電動ファン無しでは宝塚で昇天してしまう。 時間は午後1時半。 kobaさんに「給油よりも渋滞回避だ!」と告げると、速攻で高松中央ICから淡路島方面に向かいました。

 高速道路に上がってもなかなか水温が下がらない。 OHしたばかりなのに… ピストンが歪むんじゃないかな? 
しばらく走って水温は77℃まで下がってくれました。 良く言えば…走ってれば水温は上がらない。 悪く言えば…止まったらOUT。 まるで何かの映画みたいです。 止まったら爆発する! みたいな…。

 悲しい事に電気系統もズタズタ。 往路の何倍もETCの彼女が喘いでる。 「たまには違うこと言えよ!」と…ETCにツッコミを入れてる僕。 AV女優のワザとらしい喘ぎ声の方がマシだわ。 
 この雨の中… 墜落寸前の606号は何処まで飛び続ける事ができるのだろうか? 墜落したらどうなるのだろうか? 全て『運』に任せるしかないと思うけど… ちょっぴり悲しかった。

 同じ景色が延々と続く淡路島。 スッゲー睡魔に襲われ続けたけど、無事に淡路SAに到着。 燃料補給を済まして一旦パーキングエリア内で雨の中、ヒューズを確認しました。 結果は完璧に切れてる。 しかも焦げてるし…! 
 「この先…神戸JCTと宝塚で渋滞があったら先に帰ってください。 路肩に停めて店主さんを呼びますので。」とkobaさんに伝えた。 予備のヒューズで20アンペアがあったので使おうとしたら、「20アンペアでは容量が高いから危険です」とkobaさんに抑止された。 だってもう15アンペア無いもん! しかたなく10アンペアを差し込んだら電動ファンは元気に回った。 直ぐに飛ぶと思ったけど、なかなか頑張ってるから…10アンペアのヒューズを信じて淡路SAを出ようとした。

 ところが! 本線へ合流する道が分からない。 案内標識は『←出口』と『SA→』しか無い。 グルグル回ってたら関東&東海軍団と合流してしまった。 皆にワケを話して先を急ごうにも本線へ進む道が分からない。 大の大人が二人してバスの運転手さんに「本線へ合流するにはどうしたらイイですか?」と尋ねる始末。 教えて頂いた通りに進んで、やっと淡路SAを脱出しました。 淡路ハイウェイオアシスに入ったのが失敗だったんだぁ! バスガイドさんも笑ってたなぁ。

 向かうところ渋滞知らず♪ 見渡す限り海しか見えない明石海峡大橋巨泉を渡る。 写真なんて撮ってる余裕なかったです。 雨降ってるし…。 1bでも多く進みたかった。 1分でも早く渋滞のメッカを通過したかった。 水温計は77℃前後で安定してるけど、電源はバンバン落ちる。 ETCはピーピーピーピー相変わらず煩かったので、配線を引きちぎりたかった。 スタックのメーター自体、叩き壊したいくらいイライラも限界でした。
 それでも笑顔だったのはエンジンとキャブが絶好調だったから♪ キャブの吸気音と連動するエンジンの滑らかな回転を楽しめたから♪ だからこそキチンと直してまた元気に『完調』という刻印を胸にしたかったので… 意地でも無事に帰ってやろう! と思い続ける事ができた。

 頭上の電光掲示板には『雨、スリップ注意』の表示ばかり。 進めど進めど『雨、スリップ注意』の連続。
(^0^) 606はそれが嬉しかったんだyo~ だって『神戸JCT10km渋滞』とか『宝塚渋滞中』の表示じゃないんだもん♪ 『渋滞』という表示は『この先凍結通行止め』と同じ意味合いを持つ。 つまりthe endってなワケです。 

 交通量は多かったけど、スムーズに流れてる。 前回の四国ツーリングで恐ろしい渋滞にハマった神戸JCTを5速で通過。 宝塚もピーピー聴きながら通過。 これでほぼ安心。 次は関ヶ原の渋滞と一宮JCTの渋滞を残すだけ。 関ヶ原まで辿り着けば気楽に積車を呼べる。 一宮なんて隣だし…。

 吹田JCT近くまで来てルート変更をしました。 本当は名阪国道に進む予定でしたが… ナイツさんで606号を修理しないと、伊勢湾岸自動車道を下りたら暫くは国道が待ってるし…時間的にも混む時間だから、このままでは帰れないもんね! 結果、名神高速を使う事になりました。
 低速走行で此処まで来たので燃料の消費も少なかった。 kobaさんのセブンと606号の燃費は互角だったので、常に足並みを揃えてる状態なので心配しなくて済んで楽でした。 まぁ… 普通は僕が心配されるのが常です。 燃費の悪い事で評判のBDRだもね!

 多賀SAでナイツさんに電話して、受け入れ態勢を整えてもらいました。 
此処でkobaさんとお別れです。 小雨降ってましたがヘルメット脱いで帽子にチェンジしてます。 僕はトイレに行って最後の戦いに備えます。 何か飲みたかったけど、雨の中でkobaさんを待たせるワケにはいかず… 急いで戻って多賀SAを出ました。 kobaさんは手を振りながら最寄りのICで消えて行きました。 あ! 30円返すの忘れちゃった。

 単独となった606。 『雨、スリップ注意』の看板に喜びながら関ヶ原を通過。 よし! あと少し! しかし4月22日のシナリオは甘くはなかった。 『一宮IC付近渋滞』という電光表示板を確認。 「運も尽きたか?」と再びブルーな気持ちになりました。 110℃を超えたら路肩に停止しする覚悟で突き進みました。
愛知県内に入ると『一宮JCT2km渋滞』という表示に変わってました。 2kmって微妙な渋滞だなぁ! 完璧に止まったら1kmでも500mでもやばいだろう。 しかし流れていれば2kmぐらいは問題無いかも知れない。 一か八かの賭けとなったが… 此処まで来たからには賭けから逃げる事なんてできない。 

 一宮JCT手前でハザードを確認。 (T。T)止まってる。 606号もハザードを焚きながら最後尾に並ぶ。 水温計は77… 78… 79とグングン上がる。 墜落へのカウントダウンが始まった! 
 しかし幸運にも渋滞はJCTを過ぎて直ぐに解消された。 82℃まで上がった水温は81… 80… 79とドンドン下がりました。 
 無事に小牧ICを抜けて、まさかの国道41号線で渋滞にハマる。 『勝って兜の緒を締めよ』という言葉を忘れ… 兜を脱いでしまった僕のコメカミを矢が突き抜けた感じ。 直ぐに水温計は電動ファンが作動する85℃に到達した。 この道でこのペースだと120℃までは直ぐだろう。 それなのに85℃から上がらない。 電動ファンが動いてる! 助かりました。 10アンペアのヒューズさん感謝です。

 午後5時少し前… ナイツさんに到着。 片方の翼を失った感じで着陸しました。

 工場に入れて店主さんに症状を伝えて、入院させました。 バードゲージは前半分白っぽくなってたし、アルミ地肌は泥と埃で紋々だったので、濡れ雑巾で拭くだけの洗車をしておきました。
 備え付けのミネラルウォーターを飲んだら甘かったです。 いつもはただ普通の水にしか感じなかったのに… 紙コップ5杯ガブガブ飲みました。 完璧な脱水症状だった。 昼飯前から大汗かいて、汗かきながら昼飯食べて… それっきり何も飲んでなかった。 それなのに厚着してヘルメット被りっぱなし。 
 走ってる時に何度も視力が落ちてたし… かなりヤバイ状態だったのかも? それなのに…そんな事よりも水温計やら電圧計に集中してたんだなぁ! 洗車しながらも5杯飲んだ。 都合10杯。 2g近く飲んだかも! だんだん甘くなくなるのが不思議だった。 美味しい水だったなぁ♪

 店主さんが家まで送ってくれると言われて嬉しかったけど… 岩倉駅まで送ってもらって帰る事にしました。
体力的にはまだまだ走れる。 だけど気を使い過ぎて神経は恐ろしいほど疲れてるのが分かる。 名古屋から西尾まで特急で何も考えずに目を閉じて帰りたかった。

 岩倉駅で西尾までの乗車券と、名古屋からの指定券を買って電車に乗りました。
ガラガラの急行電車。 長いイスのド真ん中に座って落ち着いた瞬間…鼻が壊れてる僕でさえ気がつく悪臭。 「なんだこりゃ?」と思ったら、自分が悪臭を発してた。 そりゃそうだよなぁ! 雨・埃・排気ガス・汗!! しかも運転しないからとナイツの冷蔵庫にあった缶ビール一気飲みしちゃったから酒臭さもあるだろう。 
 これはマズイぞ! 名古屋から乗る特急で隣に女性が座ったら大変だぁ。 誰も僕がセブンで四国往復して来た事なんて知らないのに… この悪臭は不潔な奴そのものじゃん。

 せっかく気楽に『無』の状態で帰ろうと思ったのに… 西尾駅まで気を使うハメになろうとは…
店主さんに送ってもらえば良かったなぁ〜 (>。<)

by606

 PS:特急電車は意外に楽しい雰囲気で帰れましたyo~
  


にっしゃんさん始め… 四国の皆さん・参加された皆さん、どうもありがとうございました m(_ _)m