98 糧食班勤務 其の六

 本直(晩飯)が終わって厨房の中を片付けたら長い一日の終わり。  午前3時半起きの脳は、午後6時半でも既に深夜感覚。  眠い!  だけど明日は朝から非番(休み)だから、やっぱり嬉しい♪

 中隊のペースで上官からいろいろ指図されて明日の心配をしなくていいから自由な感覚。  平日なのに明日が休みの土曜日と同じ感覚でした。  しかも3直制だから一週間にこんな日は2回くる!  

 「明日は何して過ごそう?」

 戦闘服なんて使わないから白衣の洗濯と下着類の洗濯を好きな時間にできるし♪
 皆が訓練や作業してる間にゆっくりコーヒー飲みながらテレビも見れる。  もちろん好きな番組を好きなだけ見れる。  途中でチャンネルを変えても先任陸士に怒られる事も無い。
 居室で寛げるなんて、もしかしたら初めての事じゃなかろうか??


 とにかく一日終わった。  支援直から本直と慣れない仕事でさすがに疲れた。

 「明日は洗濯物を干したら、昼飯まで寝るぞ!」と決めたのを覚えています。  起床時の点呼整列もしなくていいから、そのまま昼まで寝ていてもOKでした。


 翌朝は起床ラッパで目が覚めました。
 条件反射で起き上がって服を着て点呼整列に並びそうになってしまい、皆から笑われましたよ。  この条件反射はなかなか抜けなかったです。


 居室の隊員が朝の準備で忙しく動いている姿を見ながら再びベッドで横になる。  なんて気楽なんだ♪  今日は一日中ダラダラしていても給料が貰える。  国家公務員バンザイ!だな。

 昨日、支援直だった3班が今日は本直勤務。  朝飯を食べに行ったら、これまた忙しく動いている。  世界中で僕だけが寛いで生きてるみたいでした。  言い換えれば僕だけ怠けているみたいだった。  これも塀の中の懲りない面々?  駐屯地内という狭い空間の中では数人が非番という休みを満喫してるだけの事。


 午前中は朝礼で誰も居なくなったうちに洗濯を済ませて、皆が戻って来るまでに屋上に洗濯物を干してきました。  時間に余裕があると本当に平和ですね。


 それからはコーヒーを飲みながらテレビを見て過ごす。  昨夜立てたスケジュールを実行。
 居室で寛いでいると、暇な副中隊長や怠けてる中堅陸曹が遊びに来ます。  もちろん副中隊長が居る間は他の隊員は入って来ませんし、途中で副中隊長が入ってきたら中堅陸曹は慌てて出て行きます。  怒られるでね!


 居室ではせっかくの非番が台無しになりそうだったので、屋上でCDを聴いて寛いだりしました。  基本的には一人になりたかっただけなのかも知れない。
四六時中、大勢と過ごしてるから…  気楽に過ごしたかっただけだと思う。


 そんな気楽な時間は過ぎるのが早いですね。  充実感がないからなのかな?  直ぐに昼飯の時間がくる。  
 さらに午後からは何もする事がない。  テレビもCDも飽きたし…。
結局ダラダラブラブラと一日が過ぎて晩飯の時間を向かえて風呂に入って居室で寛いで消灯。
 待たずに洗濯機が使えたぐらいで、その他は普段となんら変わらない一日。  仕事がなかっただけ。  仕事がないのって…  返って疲れる。

by606