162 自衛官四方山話 其の弐

 Q
 『ホモって多いの?』


 A
 『ホモ』っていうのも現代社会では差別用語なのでしょうね。  差別用語というよりは死語に近い?
 一昔前なら『Mrレディ』  近頃なら『お姉マンズ』  当たり障りの無い言い回しで『同性愛者』にしておいたほうが無難かも。


 この質問に関しては、現役時代からいろいろな人から興味本位に聞かれ続けてました。  その中には自衛官全員が同性愛者だと思っていた人もいたほど…  甚だしい思い違い。  でもそういう印象が強いのかな?


 入隊する前も、入隊してからも、もちろん退職してからも(当たり前だけど)同性愛については全く興味ない。  ジープで家にやって来た地方連絡部の二人からも、同性愛者についての説明はありませんでした。  もし両親を含めて同性愛者の事を話されていたら、「今頃上官に犯されてるんじゃねーのか?」と親は毎晩心配していたかも知れない。  入隊する前はただでさえ不安だった僕なのに、そんな話を聞いたら、さらにいろんな地獄絵図が頭の中に広がって、もっともっと入隊を躊躇していたに違いない。


 駐屯地内で同性愛者に直面したのは、入隊して一年が過ぎた頃。  新隊員の後期教育隊を任された時、その新隊員の一人がソレっぽい感じでした。  虚ろな目で口は半開き。  成績は18人のうちで最下位。  その頃は「悪い薬でも飲んでるのでは?」ぐらいにしか思わなかったのですが…  後期教育期間が終わって、僕と同じ中隊に配属されてから頭角を現しました。

 中隊に配属された時、中隊長の横での自己紹介で、「僕はホモなんです。」と言い切った。
 (>。<) 「やっぱりな!」と僕は心の中で呟き…  そんな隊員を中隊に配属させた僕は半分ぐらいに身が縮んだのを覚えています。  (教育隊から中隊への配属は成績が1番の隊員と最下位の隊員を入れるという暗黙のルールがあった)

 そんな自己紹介で、その場の空気はドン!と引いたけど、その直後に意外とウケるのが自衛隊。
 課業中の休憩時間は、同性愛者の隊員(教え子)によるホモの話で盛り上がる始末。  盛り上がり過ぎて話も過激になっていく。  笑える部分も多々あったけど…  やっぱり寒い話ではあったね。 


 僕が中隊に配属されてから数ヶ月が過ぎた頃から、やたらと風紀に厳しい割りに、僕には馴れ馴れしい二等陸曹が営内に居ました。   営内陸曹なので独身。  二等陸曹なので、当時は45歳くらいじゃなかったかな?  このオヤジだけは本当に迷惑でした。  昼間はふざけて抱きついてくるし、夜は静かにベッドに入ってくる。  風呂は空いてるにも関わらず、わざわざ隣に来るし。  ホモなのか?欲求不満なのか?変態なのか分からんオヤジだった。  そんな変態オヤジでも上官だから逃げ回るしか術がない悲しい定め。


 世界的にHIV(エイズ)が流行し始めた頃。  同性愛というのも関心が高まった時代でした。


 結論: それ目的で入隊してくる同性愛者はいなかった!と思う。  現在は知らないけどね。  ただ…  PXの本屋さんには沢山のエロ本は置いてあったけど、さすがに『薔薇族』は置いてなかったなぁ。

 次回は真面目に『駐屯地内のPX』についてお答えします。

by606