161 自衛官四方山話 其の壱

 もう何も書く事がないほど暴露的に綴り続けたJGSD(自衛隊白書)でしたが…  最終章をUPして以降、自衛隊生活に対して多くの質問を受けました。  順序はいい加減ですが、質問を思い出しながら文章で答えてみたいと思います。



 Q
 『陸上自衛隊にはミリタリーマニアとか武器・兵器マニアとか多いのですか?』


 A 
 この質問が一番多かったのでは??  いろんな角度・方向から答えてきました。
 簡単に答えれば…根っからのマニアで入隊してきた新隊員の(たぶん)3%ぐらいがその類だった記憶があります。  僕みたいに徐々にミリタリーマニア化した隊員は多かったはず。


 高校を卒業して戦闘服を初めて着た時は、工場の作業員にしか見えなかった隊員達も、戦闘訓練で64式自動小銃を手にして匍匐前進をしたり、体中に草木をつけて偽装したりしているうちに一端の陸上自衛隊と化していくのが分かりました。  言葉使いや態度も高校生から自衛官になっていったのを覚えています。


 ミリタリーマニア化していく隊員とは逆にミリタリー系を嫌う隊員も多かったです。  OD色と迷彩色の空間にストレスを感じたり、武器とか兵器にアレルギー反応を示す隊員。  気持ちは理解できますね。  課業中(仕事中)以外は見たくも触れたくも言葉にもしたくない気持ち…  僕も演習の後はそうでしたから。  常にそういう気持ちで戦闘服を着てた隊員は、毎日が憂鬱だったと思うよ。
 そんな隊員が外出する時の服装は、決まって(あの頃流行った)DCブランド。  けしてGパンにMA−1とかじゃなかったね。


 僕は『演習を楽しむ』事ができるように、演習で役に立ちそうなモノを神戸・三ノ宮の高架下にあるミリタリーショップや、同じく三ノ宮の東急ハンズのミリタリーショップでよく買ったものです(^-^)
 

 一番たくさん買ったグッズが『革手袋』でした。   革手袋は演習だけでなく普段も必需品でした。  軍手じゃダメなのです。  軍手だと滑ってしまうし、指先での細かい作業とかが困難なので、1000円以上もする使い捨ての革手袋を愛用してました。  これは駐屯地内のPXでも売ってましたが… いくら免税品とは言え、丈夫さと安さは米軍が使う革手袋のほうが上でしたね。


 買った後に大変だったモノがブッシュナイフという鉈(ナタ)みたいなナイフ。  演習で小枝や草をバッサバッサと切って偽装に使おう!と思って買ったのですが、刃渡り40cm以上のナイフは銃刀法違反になるとかで…没収。


 ちなみに武器とか兵器とかは買えませんからーっ!  手榴弾などの模造品はPXでも売ってます。
 身の回りで使う小物ミリタリーグッズは、ちょくちょく買って楽しんでました。
 そういえば…  自転車を迷彩色に塗って駐屯地内で乗っていた隊員が居たなぁ。 


 戦争映画というモノは陸上自衛官にとっては洗脳映画に近いものがありまして…  大ヒット映画プラトーンの公開後は、マネをする隊員が続出。
 鉄パチに巻いた偽装用のゴムにタバコを挟んで演習に出たり…  あ! これはタバコを吸わない僕もやった事だけどね。
 演習中は誰もがクリス・テイラー(チャーリー・シーン)だった。  
 「バーンズ!」 「衛生兵ーっ!」 「GO!GO!GO!GO!」と意味も無く奇声を発するにわか海兵隊。  にわかミリタリーマニア。


 根っからのミリタリーマニアは常にドッグタグ(迷子札)を首からぶら下げてました。  これだけでマニアだと判断できたから楽でしたが…  コアなミリタリーマニアになると、パイロット用のツナギにパイロット用のヘルメットを被ってバイクに乗ったり…  日本人が絶対似合わないようなサングラスをかけたりしてました。
 まぁこれもまた大ヒット映画トップ・ガンの影響でしたがね。  Marines・Air Forceごっちゃごちゃの馬鹿を多く見ました。  どうあがいても単なら日本国自衛隊ですから!
 ミリタリー云々とはあまり関係ないけど…  トップ・ガンに憧れてKawasakiのGPZを買う隊員が多かったのも事実。  虚しいのはGPZ900RではなくてGPZ250だと言う事。  なにをやっても絵にならん自衛官だったなぁ。


 ミリタリーマニアというよりはリアルミリタリーなのですから…  エアガンではなくリアルガンですし…  


 故に現在は上手にミリタリーウエアを着こなせる技だけは身につけましたよ。  ALPHA社製やAVIREX社製とかRothco社製ではなく、BUZZ RICKSON'Sに拘る。  本物を知ってるだけについつい買ってしまう。
 だいたい本物のMA−1なんて7万円以上しますから♪  僕もBUZZ RICKSON'SのMA−1を大事に一着持ってますが、4〜5年前に買った時は8万円ぐらいしました。
 ミリタリーグッズの知識を得てしまうとロクな事ないね!!


 現在、ミリタリーグッズは趣味のアイテムとしてだけでなく、防災グッズとしても十分使えるし、実際に活躍している。  意外にどのような仕事でも役に立つモノがあるんだよ。
 ちょっと前まで『踊る大捜査線』で青島刑事が着ていたミリタリーパーカー(M−51)を着て通勤している会社員を知っているが、決して元自衛官ではありません。  一昔前に流行ったなぁ♪  あ… もちろん僕も持っています。


 結論:映画の世界と現実の違いが分からないミリタリーマニアの隊員は多かったけど、さすがに武器・兵器マニアの自衛官は少なかったと思う。  

 次回は『ホモ』についてお答えします。
by606