章外  陸上自衛隊災害派遣

 僕が自衛隊を退職してから阪神大震災が発生したので、僕は災害派遣に出動した事はありません。  入隊してから退職するまで災害派遣の要請を受けるような事もなく…  阪神大震災の時はテレビで自衛隊の活躍を見ているだけでした。  
 
 阪神大震災の被災地は、僕が居た駐屯地から近かった為に見覚えのある顔の隊員が大勢テレビに出ていたのを覚えています。  そんな災害派遣要員として被災地に赴いた隊員から聞いた話…


 『64式自動小銃は身を守る為の武器。  誰かの命を守る目的で誰かの命を奪ってしまう。  でもエンピ(自衛隊用語でスコップの意味)は大勢の命を救える道具だ。』  


 そう言ったのを覚えています。  武器で人は救えない。  普段は土をすくうだけのスコップも、被災地では命をも救う。
 いろんな矛盾を感じたらしい。
 被災地ではどんな最新鋭武器よりもユンボ(パワーショベル)やブルドーザーが活躍する。  実戦じゃない実践だと…。


 被災者に助けを求められても、一個班、もしくは一個小隊、一個中隊で動いている時は個人で動く事もできず…  助けを求めてきた人に酷い事を言われ事は多々あり、耐え切れなかったらしい。


 自衛隊の災害派遣要員は能率を考えて、数時間交代で休憩と作業を繰り返していたそうです。  だけど不眠不休の消防隊や市民からは「自衛隊さんは休めていいなぁっ!」と言われた事もあったらしい。


 


 JGSDでは自衛隊の事を面白おかしく書いてきました。  
 でも自衛隊は『ヤル時はヤル!』と書いたのを忘れないでください。  今もなお被災地では国民の負託にこたえるように頑張っています。
 一生懸命に作業をしてる時もあれば、また頑張れるように休憩して鋭気を養っている時もある。  自衛官も同じ人間なんだよ。
 

 立派な事や偉そうな事は書けませんが…  「ケガの無いように!」と、災害派遣に赴いている隊員を応援します。

2011 3 14 by606