3月11日の14時46分頃に発生した東日本大震災。  それから数分後に三河地方も長い揺れに襲われました。  僕はPCが机から落ちないように両手で支えていた。  揺れてる時間があまりに長いので、そのうちドカーンと揺れるのではないか?と思い…  「ヤバイぞ〜。 絶対ヤバイぞーっ!」と怖くなってきて、PCを支えてる両手と、踏ん張っている両足が震えたのを覚えている。

 三河地方は震度3で地震が収まったけど…  「もしかしたら日本の何処かで凄い災害が起きているのでは?」とPCを立ち上げて調べてみたら、太平洋三陸沖を震源地として東北地方が激しく揺れた事が分かった。

 テレビをつけたら地震速報から現地の状況が僅かだけど映像で分かり…  そうこうしてるうちに津波が…
 あんな怖い映像は今までに無かった。
 映画やCGではなく、今この時本当に起きている災害。  ヘリコプターからの映像をただただ眺めているだけの僕。  

 そして時間が経つに連れて半端じゃない津波による被害を知り…  テレビをつけるが怖くなった。



 東日本大震災が発生したら即ネットで行政を叩いたり、正義の味方ぶるような記事をよく目にしたけど、HPは自粛の方向。  脳天気なSEVENに乗る気分にもなれず…  修理・点検・整備をして気を紛らわせるに止まった。


 『自粛』  そんなムードが広がる前からチキチキのイベント全てを自粛する方向にしていたけど…  このまま自粛を続ける事の意味が分からなくなって、自粛ムードが広がった頃には自粛の意味を考え、自粛というモノを否定するようになっていた。

 「いつまで自粛するの?」

 「来月からなら自粛しなくてもいいの?」

 「完全復興するまで自粛するの?」  いろいろ自問自答を繰り返した。  

 確かに自粛も必要。  でも正直SEVENには乗りたい。  被災地・被災者に対して僕らができる事は何か?  SEVENに乗らない事?  家の仕事があるから被災地でボランティア活動なんてできやしない。  ネットで行政を叩いたり、正義の味方ぶっていても自己満足だけで何も変わらない。  むしろ虚しい。

 じゃあ『4月のエコパサンデーラン』で募金活動をしよう!  そう思いつくのは簡単な事だった。  確かに今の僕たちには義援金や必要物資を出す事ぐらいしかできない。  
 だけど…仕事以外でお金を扱う事はあまり好きじゃない。  かと言って必要物資を集めてSEVENで運搬するなんて無理。  じゃあ頑張って募金活動をしよう。  SEVEN仲間みんなでエコパ会場で募金活動をしよう。  
 そうすれば趣味車乗りさんで集まるエコパも少しだけ雰囲気が変わるはず。  せっかく集まったのなら何かしようよ♪  お節介やウザがられるのを承知で、これまでとは違う意味も含めたらどうかな?  これがエコパサンデー募金の始まりでした。


 そう思いつくのは簡単な事だった。   
 思うだけ・考えるだけなら本当に簡単な事だったなぁ。  有言不実行ならば、もちろんこれもネットで正義の味方ぶる事になるのだろう。  一度言い出した事を撤回した時点で、それ以下の人間だ。
 自分の考えをある程度まとめてから静岡小隊さんやエコパサンデーランに詳しい方にこの企画を相談をして賛同と助言を頂きました。  いろんな名案を授かったり、指南を受けましたが…半ば自分の考えを押し通してしまった感もあった事をお詫びします。

 さらに募金活動の段取りや準備するモノなどを勉強をしました。
 募金活動を始めるまでの段取りは意外に難しかったのが本音。  募金箱を置いて、集まった募金を何処かに出せばイイだけでは済まない。  お金を扱う事の難しさを改めて思い知った。  全く知らない人達からも信用を得られるようにキチンと段取りをしなければ、信用を失うだけでなく、これは犯罪にもなりかねない事。  一番大切な『お金の流れ』だけは、その場で聞かれても即答できる状態にしておかなければなりません。

 僕は募金活動が終わったら、集まった義援金をエコパ管理事務所に委ねるつもりでした。  もし断られたら袋井市役所に運ぶ算段。  なぜなら、エコパで集めたお金はエコパに委ねたかったし、募金箱を持って移動する空白の時間を1秒でも多く作りたくなかったからです。

 しかしそれでは信用は得られません。  このお金が何処に運ばれて、どの様に使われるのかをハッキリと一点集中で提示して、あっちこっちではなくキチンとした義援金受付場所を提示しなければダメ。  ただでさえ義援金詐欺などが横行しているだけに、いい加減な事はできません。  いろんな事を加味して集まった募金を委ねる先を袋井市役所に決めました。

 そのような準備と勉強を済ませてから、募金箱の用意や寄せ書き用の日章旗を買いに行きました。  仕事の合間をぬって準備していたので、準備完了までに10日間ぐらいかかったなぁ(^-^)  なにせ初めての事。  準備万端は必須。  当日おろおろしない為にも、1つでも知識を増やしたかったので、PCでいろんな義援金&募金活動の報告などを読んで勉強しました。


 「今回は行けないので、SLツーリングの時にお返ししますから義援金を立て替えてください。」という全く同じ内容のメールをお二人から頂き…  その他各方面からも応援のメールをいただきましたよ。



 
■4月3日 (日曜日) くもり■

 前夜までの天気予報では雨の心配が無かったのに…  午前5時に起きて空を眺めたら激しく曇天。  くもり⇒はれ  そんな予報だったのを思い出して余裕で朝飯を食べてはいたものの、天気予報が気になってPCを立ち上げてしまうA型の悲しい定め。  雨の心配は無いという確信を得たい気持ちで開いた天気予報には、無情にも静岡方面に雨マーク。  しかも静岡県一帯はお昼前から局地的な前線が通過するとか…  これでは趣味車は全然集まらないかもなぁ。
 いきなりの洗礼を喰らった気がした。  しかも昨夕のうちにエコパに行くかどうかのお知らせをBBSに載せる事を忘れていた事にも気がつく。


 雨が降りだしそうな上に、実行か否かのお知らせも出し忘れている状態。  参加表明不要とはいえ、「SEVENで赤塚PAに行きます!」という参加表明も今朝まで1つもない。  くらしっくさんとshige1710さんの3台でエコパサンデー募金を行う覚悟でチキチ基地を午前7時に出発しました。
 昨日と比べたら6℃以上低い気温。  厚い雲。  冷たくて強い風。  SEVENや趣味車が出てこない条件を背負いながら、単機で赤塚PAに到着しました。


 赤塚PAに到着したら既に東濃小隊の2台が到着してました。  良かったぁ(T。T)  606号一台じゃなかった♪
 そのうちにSEVENが次々と着陸。  こんな天気なのに赤塚PAには6台のSEVENが集まりましたよ。  ちょっとテンションが上がり始めた時にshige1710さんから「ポツポツ降ってきました。」という電話が…   せめて募金が終わるまで降らないでほしかったぞっ!


 出発間際に初めてお会いするフェラーリのオーナーさんが、募金活動をする事を知っていたらしく、募金に協力をしてくださいました。  日章旗にも寄せ書きをしてくださいました。


 午前8時半ちょい過ぎに赤塚PAを出発。  途中で杉江さんと合流。  浜名湖SAを通過して浜松IC付近からレーシングスクリーンに小さな雨粒が被弾し始めた。  たいした雨じゃないまま前進したのですが、ノーマルスクリーンならワイパーが必要な降り方の時もありましたよ。

 途中で、くらしっくさんからのメールを確認したら、芝生広場の駐車場は今のところ空いてるので、こちらで待つとの事。  毎回早く来て陣地を確保してくださるので感謝です。


 パラパラと雨が降る中、掛川ICの料金所を通過してすぐの交差点で信号待ちをしているshige1710さんと合流。  そのまま雨に怯まず前進!  そしてエコパ会場が見える所まで進んだら、結構混み始めていた。  かぷちんさんからバイクのフリマが行われる事を聞いていたので、若干の混雑は覚悟していたけど…  ん?  混雑してるのはよく見たら趣味車じゃん!  フリマの混雑じゃない♪


 そのまま芝生広場の駐車場にゲートイン。  ちゃんと駐車場の誘導員さんに「おはようございます!」と挨拶して入ります。
 くらしっくさん&はかま○ださんに誘導されて、赤塚PAから来たSEVENはなんとか駐車枠に停める事ができました。  全車通路側にノーズを向けて駐車するのがベターなのですが、募金箱をトランクの上に置きたかったので606号だけ後ろ向きに駐車しました。  けして反抗期じゃありません。


 会場駐車場のほぼ中央に駐車できたので、募金箱を置くには好位置だったと思います。  小雨が降る中、速攻で募金箱の準備と日章旗の準備を始めました。  夏にカキ氷をやるのとよく似た動きだったけど、精神的には全然違いました。  妙に人目が気になって…。


 部屋で組み立てた募金箱は凄く大きくて厭味に感じたのに、606号のトランクから出して置いてみたらスッゲー小さい事に気がつく。  はっきり言って目立たない。  通常、街でよく見かける募金箱の1/4ぐらいの大きさだろう。  ちゃんと『募金箱』と書いてあるけど、誰もが「何の箱?」みたいに眺めながら通過。  声をかけようにも、小さな声で「お願いします。」としか叫べない。
 ムッシュさんもB7さんも協力してくれます。  大勢で並んだほうがアピールし易い。  だから街頭募金は大勢でやってるのですね!  2〜3人では怪しい目で見られながら通過されてしまう。

 そんな募金箱の下には、義援金の届け先を明記した紙を貼り付けておきました。  その内容は…

 『 お預かりした義援金は本日午前11時半までに袋井市役所に届けて、次の各団体へ配分して拠出します。 なおこの義援金は、所得税法または法人税法上の、地方公共団体への特定寄附金等に該当するものです。
 (1) 福島県災害対策本部 (2) 宮城県災害対策本部 (3) 岩手県災害義援金募集委員会


 寄せ書き用の日章旗も部屋で広げた時は大きく見えて、「この日章旗を寄せ書きで真っ黒になんて不可能だろうなぁ。」と思っていたのに…  外で広げたら意外に小さかった。  ちゃんと下敷きを使って、一言と本名orハンドルネームを書いて頂きました。
 この寄せ書き用の日章旗は僕のアドリブで用意してみたモノ。  これが予想以上に効果的で、募金をしてくださった方々は喜んで書いてくれた。  中には募金をして足早に立ち去る方も多く…  とにかく『ありがとう』の気持ちでいっぱいでした。
 この日章旗は来年3月の第一日曜日まで寄せ書きをして頂けるように毎回持参します。  

 募金活動に集中しているうちに雨はいつの間にか止んでいました。
 そんな天気でも向かい側の第2会場ではフェラーリやランボルギーニが一個中隊集まっているし♪  まぁそこまで募金箱を持って行く事はしませんでした。  また1つの会場でエコパサンデーランができる時にお願いします。


 午前9時半から始めた募金活動。  午前11時少し前に終了させて頂きました。

 SEVENで募金箱を運ぶのは非常に心配だったので、箱の隙間から硬貨が抜け落ちないように、テープで隙間を全て塞いでトランクに入れて鍵をかけてSEVEN4台に先導され、後方からはスパッセ35号さんの足車に守られて、厳重に管理しながら袋井市役所に向けて出発。
 現金輸送車ならぬ義援金輸送車の如く…。


 くらしっくさんを先頭にエコパ会場から国道1号線に出て袋井IC方面に進みます。  15分くらい走った所に袋井市役所はありました。
 休日なのに満車に近い駐車場。  そこにSEVENを停めて裏口からロビーに入りました。  義援金受付場所は一目瞭然。  市役所の男性二人に募金箱を開けてもらって、集計をして頂きました。  







 受領書の氏名にチキチキ通信とか第七小隊とかハンドルネームとかを書くのは募金してくださった方々に失礼だと思ったので、代表として自分の本名を書かせて頂きました事をご理解ください。


 無事に義援金を届ける事ができて一安心。  きっちり午前11時半までに納める事ができました。


 袋井市役所を出たら、朝の雨とさっきまでの曇天が嘘のように青空が広がり始め…  ちょっと遠回りして帰りたかったけど、妙な寒さだけは残っていたのでそのまま直帰。  道路脇で2〜5分咲きの桜を眺めながら、のんびりと帰りました。

 帰ってから洗車した606号。  白い濡れ雑巾が黄色くなったのは花粉なのか?  花粉だったら…  こんなに積もるモノなのぉ!?


 初めて行った募金活動。  たくさんの事を学べたと同時に、たくさん優しい気持ちになれた気がする。
 募金をしてくださった皆様ありがとう。  
 いろいろ教えてくださった方々、当日一緒に頑張った皆さん…  自分一人では、あの場所にただただ立ちすくんでいただけだったと思う。  また5月のエコパも大勢で募金活動をしましょう。  宜しくお願いします。
by606
エコパサンデー募金 4月